第三次横浜市民読書活動推進計画【概要】
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1 第三次横浜市民読書活動推進計画の趣旨
本市は、乳幼児から高齢者まで全ての横浜市民の読書活動を総合的に推進するため、平成26年3月に「横浜市民読書活動推進計画」を策定し、読書活動推進の取組を進めてきました。
この度、「第二次横浜市民読書活動推進計画(以下「第二次読書計画」という。)」の計画期間(令和元年度~5年度)が終了となるため、次の3つの法律や条例に基づき、「第三次横浜市民読書活動推進計画(以下「第三次読書計画」)」を策定します。
また、第三次読書計画は第二次読書計画の取組を継続しつつ、これまでの成果や課題等を踏まえ、社会情勢の変化に対応し、策定します。
(1)子どもの読書活動の推進に関する法律(以下「子ども読書法」)
(2)横浜市民の読書活動の推進に関する条例(以下「読書条例」)
(3)視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(以下「読書バリアフリー法」)

2 読書活動推進の意義
子ども読書法及び読書条例では、読書活動を「言葉を学び、感性を磨き、表現力、創造力等を高め、又は豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につける上で大切なもの」としています。
また、読書条例では「乳幼児期から高齢期まで市民一人一人が豊かな文字・活字文化の恵沢を享受することができる環境を整備するよう全力を挙げなくてはならない」としています。
そして、読書バリアフリー法では「障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与すること」としており、これを受け、第33期横浜市社会教育委員会議からは視覚障害者等の読書環境の整備を求める提言がなされています。
これらを踏まえ、本市及び関係者は、市民一人一人の心豊かな生活及び活力ある社会の実現に資するため、第三次読書計画に記載した取組を推進します。

3 計画の位置づけ
第三次読書計画は、関係法令・条例に基づき策定し、本市計画の関連する部分や国・県等読書活動に関する計画等との整合性・連携を図ります。

【本計画と関連する法令や計画等のイメージ図】

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4 計画期間
令和6年度から令和10 年度までの5年間。

5 推進体制
区役所・図書館・学校は、第三次読書計画を踏まえ、区の地域性に応じた読書活動推進目標を定め、これまでの読書活動推進の取組の中で築かれた連携基盤を生かし、引き続き地域全体で読書活動を推進します。
また、区役所・図書館・学校及び教育委員会は、読書活動推進団体等と連携・協働・共創しながら、読書活動推進の取組を拡充していきます。

【推進体制のイメージ図】

6 第二次読書計画からの変更点
第三次読書計画は「子ども読書法」・「読書条例」・「読書バリアフリー法」の3つの法律・条例を踏まえながら進めていくため、第二次読書計画から3つの根拠法令に合わせる形に再編します。

【第二次読書計画から本計画への再編イメージ図】

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7 計画の基本姿勢と施策の概要
第三次読書計画を推進するにあたっては、第二次読書計画の重点項目や取組等を継続しつつ、社会環境の変化を踏まえ、地域資源やデジタル技術を活用して、
アクセスしやすい環境づくりを進め、市民一人一人が文字・活字に親しめるよう、次の4つの基本姿勢を基に、読書活動を推進します。

(1)デジタル社会に対応した読書環境の整備の推進
市民一人一人、誰もが文字・活字を楽しめる環境づくりに向けて、デジタルを活用した読書環境を充実させ、紙媒体だけでなく電子書籍等を柔軟に選択することができるよう取り組みます。

(2)区の地域性に応じた読書活動推進
地域性に応じた読書活動に対するニーズを捉えて、区役所・図書館・学校は連携して、区の活動目標を定め、効果的な読書活動の取組を進めます。

(3)協働・共創による読書活動推進
様々な主体と協働・共創の視点を持って連携し、互いの特性を生かしながら、横浜らしい読書活動の推進に取り組みます。

(4)読書活動推進を支える人材の育成
全ての市民が文字・活字文化の恩恵を受けることができるよう、デジタル技術に関する能力開発も含めた人材育成に取り組みます。

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柱1 未来を担う子どもたちの読書活動の推進
成果指標 
指標①小中学校の学校図書館の利活用の促進
a 来館者数(平均値) 現状値(令和5年度)11,358人 目標値(令和10年度)11,500人
b 貸出冊数(平均値) 現状値(令和5年度)7,098冊 目標値(令和10年度)7,500冊
指標②一日のうち読書を「している」と回答した小中学生の割合 現状値(令和5年度)68.0% 目標値(令和10年度)70.0%

施策1 学校における子どもの読書活動の推進
学校の教育課程の展開に寄与する学校図書館の機能を果たし、子どもの実態に応じて、授業での学校図書館の利活用を推進します。
【主な取組】
・読書環境の充実
・読書への関心を高めるきっかけづくり
・多様な子どもたちへの読書機会の確保
・子どもの視点に立った読書活動の推進
・子どもの読書活動を支える人材の育成

【子どもが一人一台端末で電子書籍を読んでいる写真】

施策2 家庭・地域における子どもの読書活動の推進
区役所、図書館、学校が連携して、家庭における読書活動が促進される取組を進めるとともに、図書館をはじめとする身近な施設や地域において、
子どもが読書に親しみ楽しむことができる機会を創出します。
【主な取組】
・読書環境の充実
・読書への関心を高めるきっかけづくり
・多様な子どもたちへの読書機会の確保
・子どもの視点に立った読書活動の推進
・身近な地域における子どもの読書活動の促進
・子どもの読書活動を支えるボランティアの育成

【横浜市立図書館電子書籍サービスのホームページの画像】

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柱2 市民の読書活動の環境と機会の充実
成果指標
指標①図書館における貸出冊数 現状値(令和5年度)11,847,034冊 目標値(令和10年度)12,600,000冊
指標②図書館におけるボランティア活動者延べ人数 現状値(令和5年度)3,326人 目標値(令和110年度)4,200人
指標③多様な主体との協働・共創数 現状値(令和5年度)441団体 目標値(令和10年度)500団体

施策3 利用しやすい図書館サービスの充実
市民一人一人が読書に親しみ、必要な情報を得ることができる「知の拠点」として、図書館の蔵書、提供する情報を充実するとともに、居心地よく過ごすことができる場を提供していきます。
また、デジタル技術を積極的に導入し、図書館を利用したことのない方々にも興味・関心を持ってもらうきっかけとします。
加えて、身近で便利な場所での図書館サービスの提供を進めます。
【主な取組】
・市民の読書と課題解決に役立つ蔵書と情報の充実
・デジタルを活用したサービスの充実
・身近で便利な図書館サービスの拡充

施策4 読書に親しみ楽しむ機会の充実
図書館でのイベントの開催等のほか、市民利用施設、書店など地域の様々な主体と連携し、読書に親しみ楽しむ機会となる取組を充実していきます。
また、本には、人と人とがつながり、新たな活動が行われる可能性があることから、本を介した交流や学びあいを促進する機会をつくります。
【主な取組】
・本と出会う機会の創出
・本を介した交流や学びあい
・身近な地域における読書活動の促進
・読書活動推進を支えるボランティアの育成

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柱3 読書バリアフリーの推進
成果指標
指標図書館における活字資料での読書が困難な方へのサービス登録者数 現状値(令和5年度)446人 目標値(令和10年度)500人

施策5 読書バリアフリーの推進
視覚障害者等(視覚障害、発達障害、肢体不自由その他の障害により、書籍について視覚による表現の認識が困難な方)の読書環境の整備に取り組みます。
【主な取組】
・読書バリアフリーの基盤づくり
・バリアフリー図書の製作
・視覚障害者等向けインターネットサービスの利用促進
・図書館司書、司書教諭、学校司書等の人材の育成
・効果的な広報・啓発戦略

【コラム バリアフリー図書について】
バリアフリー図書とは、障害の有無に関わらず、誰もが読書を楽しめるように作られた書籍のことです。
バリアフリー図書には、触って読むものや耳で読むものがあります。ここでは、バリアフリー図書の一部を紹介します。

●布の絵本・さわる絵本
布・革・毛糸などを用いて作られた絵本で、触って絵の形が分かるようになっています。
ボタンをとめたり、ひもを通すなどの仕掛けがあるものもあり、楽しみながら読むことができます。

【布の絵本の写真『たのしいどうぶつえん』製作:よこはま布えほんぐるーぷ】

●マルチメディアデイジー
本の内容を録音した音声を、その部分の文字や画像をハイライトしながら一緒に読むことができます。
パソコンやタブレット、スマートフォンなどを使って読むことができます。

【パソコンでマルチメディアデイジーを再生している写真 
 再生しているマルチメディアデイジーは、わいわい文庫2022 Ver.BLUE『三郎丸の大くすとカッパ』協力:福岡女子短期大学】

読書でお困りのことはありませんか?本市では、「読書バリアフリー情報サイト」を開設し、自分に合った方法で読める図書や各種サービスを紹介しています。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo-manabi/shogaigakushu/sonota/bokku/barrierfreetop.html

第三次横浜市民読書活動推進計画
事務局
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